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起業・独立2024年3月23日
弁護士が即独を成功させるコツ5つ!年収100万!?廃業の原因4つ
弁護士として即独することに不安を感じていませんか?
多くの同期がイソ弁(アソシエイト弁護士)になる中で、本当にいきなり独立して食べていけるのか心配になりますよね。
弁護士の即独は、簡単なことではありません。
即独の理由については、即独せざるを得なかったという意に沿わないケースから、自ら即独を選択した結果即独しているケースまで様々です。
即独弁護士が廃業してしまう主な原因は、「依頼・問い合わせがこない」・「受任できない」といったそもそも売り上げが立たないと言ったものが多いです。
その他にも、「実務経験が乏しい」ので受任しても処理できない、「ランニングコストが大きい」ため健全な財務体制となっていないことが原因のこともあります。
弁護士が即独を成功させるコツは以下の5つです。
実は、即独は難しいと言われることも多いですし、それは事実ですが、十分な準備を行うことにより、廃業のリスクを可能な限り下げることは可能なのです。
この記事をとおして、即独を考えている多くの修習生や先生たちに、弁護士の独立にあたり必要な情報を提供することができれば幸いです。
今回は、弁護士の即独について、廃業の原因を説明した上で、成功のコツを解説していきます。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、弁護士が即独するにあたり必要なことがよくわかるはずです。
目次
1章 弁護士の即独は難しい?|即独弁護士の年収は100万円!?
弁護士の即独は、簡単なことではありません。
弁護士人口が増えていて、競争は苛烈を極めていますので、昔のように弁護士になれば誰でも食べて行けるという時代は終わったのです。
例えば、ファミレスバイトをかけもちしている即独弁護士の年収が100万円であることが話題になったこともありました。
新人弁護士「年収100万でファミレスバイト掛け持ち」貧困の実態 | 弁護士業界 疲弊の真相 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)
しかし、これは極端な例でしょう。
後述するように、月に4件程度、国選や法テラスをとおして受任をするだけでも、月の売り上げは40万円~50万円程度となるでしょうから、年間売り上げは、480万円~600万円となるはずです。
事業規模にあった適正な経費で運営していく限り、所得についても、もう少し残るでしょう。
弁護士の即独は簡単ではありませんが、決して不可能ではありません。
2章 弁護士が即独する理由5つ
弁護士が即独する理由は、様々です。
即独せざるを得なかったという意に沿わないケースから、自ら即独を選択した結果即独しているケースまであります。
例えば、弁護士が即独する理由として主なものを5つ挙げると以下のとおりです。
それでは、これらの理由について順番に説明していきます。
2-1 理由1:希望の事務所に採用してもらえなかった
弁護士が即独する理由の1つ目は、採用してもらえなかったためです。
昨今では就職しやすくなってきましたが、数年前までは弁護士の就職市場は非常に厳しいものでした。
修習中に内定をもらうことができず、即独を決意するという方もいました。
また、自分が入所したいと考えている法律事務所から内定をもらえない場合には、無理して、アソシエイト(イソ弁)になる必要まではないと考えている方もいるでしょう。
2-2 理由2:入所した事務所に合わなかった
弁護士が即独する理由の2つ目は、入所した事務所に合わなかったためです。
厳密にいうと即独ではないかもしれませんが、入所して数週間程度で退所せざるを得なくなってしまうということがあります。
入所した事務所の体制に弁護士倫理上の問題があるケース、入社した事務所のハラスメントがひどいケースなどです。
2-3 理由3:弁護士が少ない地域で働きたいと考えた
弁護士が即独する理由の3つ目は、弁護士が少ない地域で働きたいと考えたという場合です。
地元で働きたいと考えたケース、修習地で働きたいと考えたケースなどです。
弁護士が少ない地域だと、どうしても法律事務所の数も限られてきますので、既存の事務所に内定をもらうということが難しいことがあります。
弁護士の数も少ない支部などで、即独してもやっていくことができるなどの助言をもらい、即独を決意することもあるようです。
2-4 理由4:社会人経験があった
弁護士が即独する理由の4つ目は、社会人経験があったためです。
予備試験やロースクール制度ができて、社会人経験のある司法試験合格者も増えてきました。
社会人経験があり、これまでの人脈があるような方の場合には、即独を選択することもあります。
とくに、これまで士業事務所を経営していた経験のあるような方の場合には、即独を選択しやすいでしょう。
2-5 理由5:修習中に同期に誘われた
弁護士が即独する理由の5つ目は、修習中に同期に誘われたためです。
修習中はたくさんの同期の知り合いができ、修習が終わったらどこの事務所に就職するのか、どのような業務をしたいのかなど話す機会がたくさんあるでしょう。
弁護士になった後のことを話すのは非常に楽しいものです。
私も、友人と、弁護士になったら何をしたいのかということを昼休みや飲み会でたくさん話しました。
そのような際に、即独をするという方の話を聞く機会もあるはずです。まだ、就職先が決まっていないような場合には、一緒に即独しようと誘われることもあるでしょう。
3章 即独弁護士が廃業してしまう原因4つ
即独弁護士が廃業してしまうことには、原因があります。
ポテンシャルのある業種である以上、原因なく廃業となることはないのです。
例えば、即独弁護士が廃業してしまう原因を4つ挙げると以下のとおりです。
それでは、これらの原因について順番に説明していきます。
3-1 原因1:依頼・問い合わせがない
即独弁護士が廃業してしまう原因の1つ目は、依頼・問い合わせがないことです。
競争が激化している昨今では、法律事務所を構えても、それだけでは依頼や問い合わせは来ません。
元々、人脈を持っている方でないと、独立して早々にたくさんの相談や紹介が来るということもないでしょう。
依頼や問い合わせを獲得するための準備をせずに独立してしまうと、売り上げが立たず廃業することになってしまいます。
3-2 原因2:受任できない
即独弁護士が廃業してしまう原因の2つ目は、受任できないことです。
昨今では、相談者も複数の弁護士に相談したうえで、誰に依頼を行うかということを検討する方が増えてきました。
依頼者としても、十分な経験がある弁護士に頼みたいと考えている方が多く、見通しが具体的かどうかを見ていたり、これまで同種の事案を解決した実績があるかどうかなどを質問されたりすることがあります。
即独したばかりだと、相談を受けた後の、受任率が低く、中々、売り上げが立たないということもあるでしょう。
3-3 原因3:実務経験が乏しい
即独弁護士が廃業してしまう原因の3つ目は、実務経験が乏しいことです。
弁護士業界は暗黙知が多く、また、実務上の相場観がなかったり、見通しを正確に立てられなかったりすると痛い目をみることがあります。
委任契約書の作り方、職務上の請求の仕方、23条照会の方法、訴訟提起の方法、印紙の計算方法、執行の方法、受任通知の書き方、辞任の仕方、委任終了の際の手続き、報酬の請求の仕方等々、最初は手探りで行うことになるはずです。
例えば、十分な経験がないと、通常弁護士が当然行うような手続きや報告、確認を怠ってしまい、トラブルとなってしまうこともあるでしょう。
また、実務上の相場観がないと、裁判所からどのような判断をされるのかが判断しにくく、示談交渉も難航しますし、依頼者への説明も明確にできません。
加えて、見通しを正確に立てることができないと、自分が受任して解決できる案件なのかどうかの判断を誤ってしまうこともあるでしょう。
このように実務経験が乏しいことにより、トラブルを抱え込んでしまったり、依頼を受けても解決できなかったりしてしまうリスクがあります。
3-4 原因4:ランニングコスト(毎月の経費)が大きい
即独弁護士が廃業してしまう原因の4つ目は、ランニングコスト(毎月の経費)が大きいことです。
ランニングコスト(毎月の経費)が大きいと、それだけ毎月多くの売り上げをあげなければ、事務所を維持することができなくなってしまうためです。
例えば、即独当初に、十分な売り上げの見込みもないのに、月20万円程度のオフィスを借りてしまうときついでしょう。
また、ポータルサイトやリスティング広告に毎月数十万円単位で費用をかけてしまうと、1件あたりの利益率が下がってしまいますし、受任できなかった場合には赤字になるリスクも出てきてしまいます。
4章 弁護士が即独を成功させる5つのコツ!
弁護士が即独を成功させるためには、いくつかのコツがあります。
即独による廃業してしまう原因を排除するために対策をしておくことで、成功の確率をグッと上げることができるのです。
例えば、弁護士が即独を成功させるコツとして、私が重要だと考えていることを厳選すると以下の5つです。
それでは、これらのコツについて、それぞれ順番に説明していきます。
4-1 コツ1:依頼を獲得する手段を確保しておく
弁護士が即独を成功させるコツの1つ目は、依頼を獲得する手段を確保しておくことです。
やはり、問い合わせがこないと、売り上げは中々上がりません。
どれだけ良い弁護をする能力があったとしても、依頼を獲得しないことには、これを発揮する機会もありません。
依頼を獲得しないことには、弁護士としての仕事は何も始まらないのです。
なので、即独するうえで、一番重要なのは、「依頼を獲得する」ということです。
例えば、ポータルサイトに登録するといったことは、簡便で即効性がある依頼獲得方法の1つです。
ただし、ポータルサイトへの登録にはランニングコストがかかりますので、ずっとこのような手段に頼り続けるというのは負担も大きいです。
自分の法律事務所でもWEBサイトを立ち上げて情報を発信したり、交流会への参加、セミナーの企画などをしたりして、少しずつ集客の準備をしていくといいでしょう。
弁護士の集客については、以下の記事で詳しく解説しています。
4-2 コツ2:弁護士修習で業務フローをよく見ておく
弁護士が即独を成功させるコツの2つ目は、弁護士修習で業務フローをよく見ておくことです。
即独する場合には、アソシエイト(イソ弁)としての経験を積む期間がない分、弁護士修習で多くの事を学ぶ必要があります。
何も意識せずに弁護士修習を過ごしてしまうと、何も身に着けずに終わってしまいます。自分で業務を行うことができるようにイメージしながら修習を行うといいでしょう。
例えば、以下の点については、よく確認しておくといいでしょう。いずれも独立した後、自分で行うことができないと困るものです。
弁護士修習で、独立しても困らない最低限の知識を身に着けることができれば、格段に業務を行いやすくなるはずです。
4-3 コツ3:相談できる先輩弁護士を探す
弁護士が即独を成功させるコツの3つ目は、相談できる先輩弁護士を探すことです。
アソシエイトを経験する弁護士は、先輩やボス弁から厳しい指導を受けながら成長していく事になります。
分からないことがあれば質問しますし、事件処理に悩めば相談します。
即独であっても、このように相談できる弁護士がいれば、色々と力になってくれるはずです。
幸いこの業界は面倒見のいい先生方が多いので、是非、相談できる先輩弁護士を探してみることをおすすめします。
4-4 コツ4:国選・法テラス・弁護士会の相談を活用する
弁護士が即独を成功させるコツの4つ目は、国選・法テラス・弁護士会の相談を活用することです。
即独してまだ依頼も少ないのであれば、早々に弁護士会の研修課題をクリアして、各種名簿に登録するといいでしょう。
メーリングリストなどに登録すると、交代のお願いの連絡などが届きますので、積極的に後退を申し出あれば、国選・法テラス・弁護士会の相談を受けることができます。
月に3~4件程度、国選や法テラスからの受任をするだけでも、月の売り上げは30万円~50万円程度となるでしょうから、年間売り上げは、360万円~600万円となるはずです。
ただし、事務所の規模が大きくなるにつれて、国選や法テラス、弁護士会の相談だけで、維持していくのは難しくなっていきますので、徐々に他の受任手段も確保する必要があります。
4-5 コツ5:必要経費を徹底的に抑える
弁護士が即独を成功させるコツの5つ目は、必要経費を徹底的に抑えることです。
必要経費が嵩めば嵩むほど、毎月大きな売り上げをたてなければいけなくなります。
経費を抑えておけば、仮にあまり依頼を受けることができなかったり、事件を解決できなかったりした月があったりしても、事務所を維持しやすくなります。
例えば、事務所については、最初は自宅で開業したり、レンタルオフィスにしたりすることで、0円~10万円程度まで抑えられます。
また、広告費についても、ポータルサイトへの登録費用やリスティング費用を抑えて、自社サイトなどで集客できるだけの準備をしておけば、費用をほぼ0円に抑えることが可能です。
加えて、事務員についても、規模が大きくなってきたら採用すれば足り、最初はワンオペか、アルバイトで週1~2日手伝ってもらったりすることで十分でしょう。
弁護士の独立で想定される固定経費については、以下の記事で詳しく解説しています。
5章 即独弁護士のおすすめブログ3選
弁護士が即独する際に参考になるものとして、実際に即独をした方のブログがあります。
例えば、おすすめのブログを3つ厳選すると以下のとおりです。
それでは順番に説明していきます。
5-1 弁護士佐藤宏紀のブログ
即独弁護士のおすすめブログの1つ目は、弁護士佐藤宏紀のブログです。
即独1日目~即独立9日目までの様子が写真付きで綴られていますので、イメージしやすいですね。
営業電話がかかってくる様子や口座開設の電話がかかってくる様子なども読むことができます。
独立当初は、こういう営業電話多いんですよね…
預り金口座の開設も、そういえば最初開設しにいったなあと懐かしく感じました
以下のリンクから読むことができます。
5-2 ふくい総合法律事務所の採用ブログ|第1章事務所開設までのあゆみ
即独弁護士のおすすめブログの2つ目は、ふくい総合法律事務所の採用ブログ|第1章事務所開設までのあゆみです。
法律事務所の採用ブログのようで読みやすいです。福井県で独立先生の事務所のブログです。
即独することを決断した経緯や、即独してみてわかったことなどが書かれています。
事務所を開設してから、事務所の規模が大きくなっていく状況も読むことができます。
以下のリンクから読むことができます。
第1章 事務所開設までのあゆみ | ふくい総合法律事務所|採用サイト (komaeda-recruit.com)
5-3 micoの超個人的勉強ブログ
即独弁護士のおすすめブログの3つ目は、micoの超個人的勉強ブログです。
2011年に即独をした先生のブログとなっています。
なんと2005年3月から2023年3月まで続いています。修習や二回試験の様子についても読むことができます。
当時の状況が色々書いてありますので、参考にしやすいかと思います。
micoの超個人的勉強記録 2011年08月 (fc2.com)
6章 弁護士が独立する際のWEBサイト制作はリバティ・ベル株式会社にお任せ!
リバティ・ベル株式会社は、弁護士が代表取締役を務める会社であり、弁護士のWEBサイト制作に力を入れています。
WEB制作業者はたくさんありますが、業者ごとに得意不得意があり、弁護士業界に精通している業者はごくわずかです。
リバティ・ベル株式会社では、法律事務所のホームページやオウンドメディアの運営について圧倒的な経験とノウハウを確立しています。
例えば、弁護士がホームページを制作するにあたっては、「品位を害するような記載はしたくない」、「解決事例を自分で更新できるようにしたい」、「料金表を簡単に更新したい」、「所属弁護士会は必ず書いて欲しい」などの要望があるはずです。私自身がそうでした。
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料金表については、以下のページから確認いただくことができます。
7章 まとめ
以上のとおり、今回は、弁護士の即独について、廃業の原因を説明した上で、成功のコツを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事が即独に悩んでいる弁護士や修習生の方の助けになればい幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。