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起業・独立2024年4月8日
法律事務所開設マニュアル!弁護士が開業する時期や場所と4つの手順
法律事務所を開設したいと考えていませんか?
弁護士になったからには、独立して自分の事務所を開設したいと考えている方も多いですよね。
法律事務所を開設すると自由に業務を行うことができるようになりますが、反面、収入は不安定になります。
法律事務所を開設するのは独立して5年程度経過した弁護士が多く、事件数当たりの弁護士数が少ない地域で開業することがおすすめです。
法律事務所開設後の開業弁護士の年収(所得)はおおよそ1000万円~1500万円程度と言われることがよくあります。
法律事務所を開設するには、270万円~580万円程度の開業資金が必要となります。
法律事務所の開設で失敗しないためには手順を踏むことが大切であり、しっかりと売り上げの見通しや計画を立てることを忘れてはいけません。
法律事務所を開設した後の顧客獲得の手段としては、紹介や交流会等の伝統的な営業手法だけでは厳しいことが増えてきており、セミナー等の企画やWEB集客という方法も積極的に試してみるといいでしょう。
実は、弁護士業界も年々激化しているとは言われますが、まだまだ新たな法律事務所が参入する余地は残されているのです。
この記事をとおして、法律事務所を開設したいと考えている弁護士の先生に必要な情報やノウハウを共有することができれば幸いです。
今回は、法律事務所開設について、弁護士が開業する時期や場所と4つの手順を解説します。
具体的には、以下の流れで説明していきます。
この記事を読めば、法律事務所の開設についてよくわかるはずです。
目次
1章 法律事務所の開設(開業)とは?弁護士事務所開業のメリット・デメリット
法律事務所の開設とは、新たに法律事務所を開業することをいいます。
弁護士が一人で独立する場合もあれば、数人の弁護士が共同で法律事務所を立ち上げる場合もあります。
法律事務所の開設については、必ずしも、法人化を伴うわけではなく、むしろ個人事業主のままで法律事務所を開設する方が多数派でしょう。
法律事務所を開設するメリットとデメリットを整理すると以下のとおりです。
端的に言えば、法律事務所を開設することで、自由に業務を行うことができ収入も大幅に増える可能性があります。
一方で、安定した収入はなくなり、自分の力で事件を獲得し、自分の責任で事件を解決しなければなりません。
2章 法律事務所の開設(開業)の時期と場所
法律事務所を開設するには時期と場所をよく考える必要があります。
時期や場所によって法律事務所の売り上げ、経営も大きく変わってきます。
以下では、法律事務所の開設の時期と場所をそれぞれ説明します。
2-1 時期:弁護士経験5年目以降がおすすめ
法律事務所を開設するのは、弁護士経験5年目以降がおすすめです。
法律事務所を開設して自分の力で事件を解決していくためには、弁護士として充分に実務経験を積んでいることが重要なためです。
また、弁護士としての経験を積んでいくことにより、自分自身のお客さんも出来てきますので、法律事務所開設後に相談に来てくれる顧客も増えてきます。
これらのことを考えるとも少なくとも5年程度はアソシエイト弁護士として日々の業務に取り組んでいくことが肝要でしょう。
実際、日弁連が公開している「弁護士白書2018年版」を見ると、経営者弁護士は、5年目未満の段階では13.9%しかおらず、5年以上になると50%を超えてきます。
(出典:弁護士白書2018年版)
以下の記事で弁護士の即独についても、詳しく解説していますので読んでみてください。
2-2 場所:事件数当たりの弁護士数が少ない地域がおすすめ
法律事務所を開設する場所は、事件数当たりの弁護士が少ない地域がおすすめです。
事件数当たりの弁護士が大きい地域は、それだけ競争が激化していますので、事件を獲得することも難しくなります。
一方で、事件数当たりの弁護士が少ない地域では、競争が緩やかですので、法律事務所を開設したばかりでも事件を獲得しやすくなります。
例えば、2021年ですと、弁護士1人あたりの「民事事件(通常訴訟)地方裁判所」の平均は「3.0件」、「家事事件(家事調停)家庭裁判所」の平均は「3.1件」となっています。
これに対して、東京三会では、弁護士1人あたりの「民事事件(通常訴訟)地方裁判所」の平均は「1.8件」、「家事事件(家事調停)家庭裁判所」の平均は「0.7件」となっており、競争が激しいことがわかります。
以下の弁護士白書の統計データが役に立つため、参考にしてみてください。
(出典:弁護士白書)
3章 法律事務所開設(開業)後の年収は1000万円~1500万円が多い
法律事務所開設後の年収(所得)は、1000万円~1500万円程度と言われることがあります。
確かに独立した弁護士の中央値をとれば妥当な数字なのではないかと感じます。
しかし、法律事務所開設後の年収については、当然、事務所ごとに大きな差があり、ピンキリとなります。
上手く法律事務所を経営することができれば、小規模事務所でも売り上げが1億を超えている事務所もあり、その場合の年収は5000万円~7500万円程度となることもあるでしょう。
一方で、顧客の獲得に苦労するような場合には、売り上げが600万円程度となることもあり、この場合の年収は300万円~500万円程度となることもあるでしょう。
このように法律事務所の開設後は収入が保障されない一方で、大きな収入を得ることができる可能性もあるのです。
4章 法律事務所の開設に必要な開業資金(費用)|270万円~580万円
法律事務所の開設に必要な開業資金は、270万円~580万円程度です。
内訳としては以下のとおりです。
それでは、これらの内訳について順番に説明していきます。
4-1 事務所を借りる際の敷金や保証金・礼金|120万円~250万円
事務所を借りる際の敷金や保証金・礼金は、120万円~250万円程度必要です。
事務所を借りる際の敷金や保証金・礼金については、以下のような相場観となります。
例えば、月額20万円の事務所を借りるのであれば、初期費用は161万~182万円となります。
4-2 事務所の設備工事費|70万円~150万円
事務所の設備工事費は、70万円~150万円程度必要です。
事務所の設備工事については、以下のような相場観となります。
4-3 オフィス用品費|50万円~100万円
オフィス用品費は、50万円~100万円程度必要です。
オフィス用品費については、以下のような相場観となります。
4-4 事務所ホームページ制作費|30万円~80万円
事務所ホームページ制作費は、30万円~80万円程度です。
法律事務所開設にあたって、ホームページの制作はほぼ必須と言ってもいいでしょう。
名刺代わりのシンプルなホームページであれば、30万円~50万円程度が相場です。
WEB集客も考えているのであれば、50万円~80万円程度はかけた方が良いでしょう。
リバティ・ベル株式会社では、このような名刺代わりのホームページ(コーポレートサイト)やコンテンツからの集客を目的としたホームページ(オウンドメディア)の制作を承っております。
5章 失敗しない!法律事務所の開設(開業)手順4つ
法律事務所の開設には手順があります。
法律事務所の開設の主要な手順を抜粋すると以下の4つです。
それでは、法律事務所開設の各手順について順番に説明していきます。
5-1 手順1:売り上げの見通しや計画を立てる
法律事務所開設の手順の1つ目は、売り上げの見通しや計画を立てることです。
法律事務所の開設をするにあたっては、開設後の売り上げについて慎重に検討を重ねておくことが大切です。
十分な検討や準備をすることなく法律事務所を開設しても、売り上げが立たず経営が困難となってしまうことがあるためです。
そのため、法律事務所を開設する前に売り上げの見通しや計画を立てておくことが重要です。
5-2 手順2:開業する場所と借りる物件を選ぶ
法律事務所開設の手順の2つ目は、開業する場所と借りる物件を選ぶことです。
先ほど説明したように法律事務所の開設にあたっては、開業する場所が成功のカギを握ることもあります。
また、事務所の規模や想定される売り上げにあった規模、賃料の物件を選ぶ必要があります。
どの場所にどの程度の費用の事務所を借りるのか決めたうえで、物件を探してみるといいでしょう。
5-3 手順3:事務所サイトを作る
法律事務所開設の手順の3つ目は、事務所サイトを作ることです。
法律事務所を開設する際には、早めに事務所のサイトの発注も行うといいでしょう。
サイト制作1~3か月程度かかりますし、法律事務所を開設した際に挨拶を行うにあたっても、法律事務所のURLを併せて送ることで反応してもらいやすくなります。
また、既存の顧客の方々にも事務所のアクセスや連絡先等を伝えやすいでしょう。
リバティ・ベル株式会社では、このような名刺代わりのホームページ(コーポレートサイト)やコンテンツからの集客を目的としたホームページ(オウンドメディア)の制作を承っております。
5-4 手順4:弁護士会に届け出をする
法律事務所開設の手順の4つ目は、弁護士会に届け出をすることです。
法律事務所を開設する際には、所属する弁護士会に届け出を行う必要があります。
忘れずに届け出を行うようにしましょう。
6章 法律事務所開設(開業)後の顧客獲得手段4つ
法律事務所を開設した後、十分な売り上げを確保するためには顧客を獲得する必要があります。
顧客の獲得競争も激しくなってきていますので、何もせずに問い合わせが来る時代は終わってしまったのです。
例えば、法律事務所開設後の顧客獲得の手段としては以下の4つがあります。
それではこれらの手段について順番に説明していきます。
6-1 手段1:紹介やリピーターによる獲得
法律事務所開設後の顧客獲得手段の1つ目は、紹介やリピーターによる獲得です。
目の前の事件に真剣に取り組んでいくことで、いつの間にか事件が増えていったという話は、皆さんよく聞くことがあるでしょう。
今、受けているクライアントや顧問先を大切にしましょう。
また、紹介や再度の相談をしていただきやすいように、自分の得意分野や紹介も歓迎であることを明確に伝えておくといいでしょう。
実際、紹介やリピーターによる顧客の獲得は、弁護士として重要な顧客獲得方法の一つです。
6-2 手段2:交流会等での営業による獲得
法律事務所開設後の顧客獲得手段の2つ目は、交流会等での営業による獲得です。
異業種交流会やライオンズクラブ、BNI、青年商工会議所(JC)などの各種団体に参加する方法です。
伝統的な営業手法の一つとなり、このような営業方法が得意な方は、密接な人間関係を築く中で、相談や顧問のお願いなどをしてもらえることがあります。
一方で、向いていない方は、ストレスとなってしまい、結果が出ないこともあります。
6-3 手段3:セミナーや相談会による獲得
法律事務所開設後の顧客獲得手段の3つ目は、セミナーや相談会による獲得です。
いわゆるイベント企画型の顧客獲得手法となります。
セミナーなどについては、登壇することで先生として認識してもらいやすくなり、企業とのせっても持ちやすいです。
相談会については、その場で直ぐに相談を受けることができますので、受任までの距離が近いです。
ただし、イベント企画型の方法については、場所の確保や広報活動に一定のコストがかかり、周知して人を集めるノウハウが必要となります。
6-4 手段4:WEB集客(ネット集客)による獲得
法律事務所開設後の顧客獲得手段の4つ目は、WEB集客(ネット集客)による獲得です。
昨今では、多くの方がインターネットをとおして弁護士を探すようになりました。企業からの相談もWEBサイトからくることが増えてきています。
WEB集客(ネット集客)が弁護士の基本的な集客方法の一つと言っても過言ではない状況になってきているのです。
そのため、法律事務所開設後の顧客獲得手段の一つとして、WEB集客による獲得を行うことも検討するべきでしょう。
弁護士のWEB集客については、以下の記事で詳しく解説しています。
7章 法律事務所開設時のWEBサイト制作はリバティ・ベル株式会社にお任せ!
リバティ・ベル株式会社は、弁護士が代表取締役を務める会社であり、弁護士のWEBサイト制作に力を入れています。
WEB制作業者はたくさんありますが、業者ごとに得意不得意があり、弁護士業界に精通している業者はごくわずかです。
リバティ・ベル株式会社では、法律事務所のホームページやオウンドメディアの運営について圧倒的な経験とノウハウを確立しています。
例えば、弁護士がホームページを制作するにあたっては、「品位を害するような記載はしたくない」、「解決事例を自分で更新できるようにしたい」、「料金表を簡単に更新したい」、「所属弁護士会は必ず書いて欲しい」などの要望があるはずです。私自身がそうでした。
是非、先生方が独立するにあたって法律事務所の財産となるホームページを制作させていただければ幸いです。
まずはオンライン(ZOOM)にて簡単に先生のご要望をおうかがいさせていただき、適切なサービスをご提案させていただきます。
お気軽にお問合せください。
料金表については、以下のページから確認いただくことができます。
WEBサイト制作料金表|リバティ・ベル株式会社8章 まとめ
以上のとおり、今回は、法律事務所開設について、弁護士が開業する時期や場所と4つの手順を解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
この記事が、法律事務所を開設したいと考えている弁護士の先生の役に立てば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。